京都市営地下鉄烏丸線は、京都市を南北に連なる、主に烏丸通の地下を走る地下鉄です
北は左京区の国際会館駅、南は伏見区の竹田駅を13.7kmで結びます
ここでは、烏丸線の起点である国際会館駅から北進する延伸計画について述べていきたいと思います
京都市営地下鉄烏丸線について
京都市営地下鉄烏丸線は、京都市初の市営の地下鉄です
1981年:北大路駅〜京都駅が開業
1988年:京都駅〜竹田駅が延伸
1990年:北山駅〜北大路駅が延伸
1997年:国際会館駅〜北山駅が延伸
というようなかたちで、開業後、順次延伸を繰り返し、現在の路線となっています
開業当初は、4両編成で運行されていましたが竹田駅への延伸に伴い、6両編成で運行しています
また、将来の利用者増加を見据え、8両編成でも運行できるように駅のホームは対応していますが、未だ8両編成での運行は実現していません
延伸計画について
烏丸線の起点、国際会館駅は、左京区岩倉の中心駅ですが、近隣の駅(岩倉駅、八幡前駅、宝ヶ池駅)とは約1kmほど離れており、徒歩10分前後かかる距離にあります
京都駅・四条方面から岩倉・貴船方面への利用には大変不便な接続となっており、乗り換えには一苦労です
仮に、京都駅や四条周辺から岩倉や貴船方面に行くには、バスを利用するか、JRもしくは阪急に乗って京阪本線に乗り換え出町柳へ向かい、その後出町柳駅から叡山電鉄に乗り換えるというルートになります
時間もお金もかかる不便な接続です
一方で、烏丸線の国際会館駅からほぼ直線上には叡山電鉄の岩倉駅が存在し、この約1km延伸することによって、京都駅・四条方面から岩倉・貴船方面への接続が飛躍的に改善し、更なる利用者増加が期待されます
延伸によるメリット
まず、延伸によるメリットとして、下記が挙げられます
- 烏丸線と叡山電鉄の乗り換え向上
- 京都駅・四条駅周辺と岩倉・貴船方面のアクセス向上
- 貴船神社・鞍馬寺へのアクセス向上に伴う観光客増の期待
- アクセス・利便性向上に伴う鉄道利用者増の期待
叡山電鉄利用者が京都駅や四条に出るのに、岩倉駅で乗り換えることによる時間のメリットが挙げられます
延伸によるデメリット
延伸によるデメリットとして、下記が挙げられます
- 建設費用の負担
- 利用者増と建設費の費用対効果
地下鉄を延伸するには、何より多額の資金が必要になります
烏丸線は京都市営の地下鉄ですが、京都市の財政がとても厳しい状況にあります
延伸する距離が1kmと極わずかですが、地下鉄の建設費用は一般的に1kmあたり数百億円とも言われます
現に、京都市は地下鉄東西線の建設時に多額の負債を抱え、赤字を計上しているだけでなく、京都市の財政状況の悪化の原因の一つとも指摘されています
最近、京都市の門川市長は、企業の破産状態にあたる「財政再生団体」に2028年度にも転落する恐れがあるとした発表をしております
この財政運営の抜本的見直しを迫られている中、地下鉄延伸の可能性は限りなく0に近いでしょう
まとめ
今回は、烏丸線の国際会館駅から岩倉駅への延伸の可能性について、メリット・デメリットを挙げて実現可能性を述べていきましたが、京都市の財政状況の悪化、利用者の見込みの観点から実現は難しいのではないかと思われます
ここ数年は、烏丸線の利用者は過去最高を更新しておりましたが、現在のコロナ禍により、利用者が減少に転じました
延伸の可能性は、何より京都市の財政状況の改善が先手であり、向こう10年単位で実現は難しいでしょう
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